糖尿病治療の基本は、みなさんも御存知のように食事・運動療法です。食事・運動療法でコントロールが困難な場合は、薬物療法を併用します。

薬物療法は大きく分けて、飲み薬と注射薬があります。以前は、注射薬といえばインスリンのみでしたが、今はインスリン以外の注射薬もあります。

簡単に言うと、飲み薬の効果が悪くなってしまうとインスリン注射になります。飲み薬は、多種類あり、血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きをよくする、インスリン分泌を促進させる作用が主です。体内のインスリン分泌がある程度残っている場合は、飲み薬やインスリン以外の注射薬でコントロールは可能です。しかし、インスリン分泌が枯渇している場合は、インスリンそのものを補わないといけません。現在の医療では、インスリンそのものの飲み薬はないため、インスリン注射となります。

飲み薬、インスリン注射は、各々いろんな種類があり、それらの組み合わせで治療を行います。例えば飲み薬のみ、飲み薬とインスリン注射、インスリン注射のみ、インスリン以外の注射薬の併用など多種多様な治療法があります。どのような治療を行うかは、体内のインスリン分泌状態、生活パターン、糖尿病になった原因などで異なります。

1型糖尿病は、そもそもインスリン分泌が枯渇してしまう病態で、足りない分を補わなければならないので、発症時からインスリン注射が必要です。

妊婦さんに対しては、飲み薬(糖尿病薬)の安全性が十分確立していません。そんため、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠では、食事・運動療法でコントロールが困難であれば、インスリン注射となります。

糖尿病は、うまくつきあっていかないといけない病気なので、無理のない治療法を選択することが大事です。合併症を発症することなく、良好な血糖管理を行いましょう!!